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三年計画の定点観測(2021年8月度月報)

コラム・考察

ゆうき
ゆうき

2021.09.07


本記事はゆうきさんがご自身のnoteで連載中の記事になります。

掲載元のnoteTwitterもぜひチェックしてください。

◆前書き

昨年はリーグ戦の試合の直後にアンケートを取って、自分の評価と比較しつつ三年計画のプレーコンセプトが表現できていたのかをまとめていました。ですが、協力してくれた方もアンケートの項目が多くて面倒だったんじゃないかとか色々自分なりに考えて、今年は試合ごとの記事はその試合の内容によってピックアップする事象を変えた雑感として出しつつ、月の終わりに月報のような形で三年計画のプレーコンセプトについての定点観測をしようと思います。


先月はシーズンの折り返しであり、三年計画の折り返しということでアンケートを実施してその内容も掲載しました。記事を出すときのツイートに「西野TDも是非」なんて書いたら、西野さんから「見てるで~」とでも言いたげないいねがつきました。少なくとも「西野TD」というワードでエゴサーチしていそうなのは今までも感じることはありましたが、それだけクラブとしてもサポーターがどう感じているのかということには敏感になっているのだろうと思います。余談でした。

では8月の振り返りに行こうと思います。今回は8月から連戦が9月頭の川崎戦まで連なっているのでそこまでをまとめてみて行きます。

目次

  1. ◆8月(+ルヴァン杯川崎戦)の戦績
  2. ◆プレーコンセプトは表現出来ていたか
  3. ◆9月の試合予定

◆8月(+ルヴァン杯川崎戦)の戦績

8/9 (Mon) J1 第23節 (A) vs 札幌 ●1-2
8/14 (Sat) J1 第24節 (H) vs 鳥栖 ○2-1
8/18 (Wed) 天皇杯 ラウンド16 (A) vs 京都 ○1-0
8/21 (Sat) J1 第25節 (A) vs 徳島 ○1-0
8/25 (Wed) J1 第26節 (H) vs 広島 ○1-0
8/29 (Sun) J1 第27節 (A) vs 湘南 △0-0
9/1 (Wed) ルヴァン QF 1stLeg (H) vs 川崎 △1-1
9/5 (Sun) ルヴァン QF 2ndLeg (A) vs 川崎 △3-3

※リーグ戦 3勝1分1敗 5得点3失点(+2)
※ルヴァン杯 0勝2分0敗 4得点4失点(0)
※天皇杯 1勝0分0敗 1得点0失点(+1)

五輪による中断期間中は浦和は全く試合がなかったため30日試合が空いたものの、その時点で加入が決まっていた選手のうち合流できていたのは江坂だけで、酒井は五輪、ショルツは7/23に入国したものの14日間の隔離期間があって合流できず、7/28に選手にコロナ陽性者が出てしまったことで当初想定していたトレーニングが出来たわけではなく、戦術的な積み上げや新戦力との認識合わせは8/9~9/5までの8連戦の中でやっていくことになりました。

8連戦のうち特に前半は札幌、京都、徳島と首都圏の外への遠征が続くこと、7月の天皇杯で負傷した山中に加えて、小泉がコンディション不良で試合に絡むことが出来ず、ユンカーがトレーニング中に頬骨を骨折して8/12に手術を受けたため8/14の鳥栖戦と8/18の京都戦は回避、また情報は出されていないものの、五輪から帰ってきたデンはベンチ入りすら出来ず、西も8/14の鳥栖戦以降突然ベンチにも入らなくなり、苦しい台所事情の中でのやりくりを強いられることになってしまいました。


ただ、この苦しいタイミングでチームの中で輝きを放ったのは他でもなく新加入の選手たちだったと思います。先に合流していた江坂は札幌戦から全ての試合に出場して試合を追うごとに彼のポジショニングの上手さであったり、ボール扱いの上手さがチームに馴染んでいきましたし、それは平野についても同様だったと思います。

さらに、五輪で奮闘した酒井は合流してすぐの鳥栖戦から湘南戦まで5試合にフル出場し、そのまま代表に合流していくという超強行軍を決行し、さすがに湘南戦では疲労が見えたものの寄せの速さ、当たりの強さ、攻撃時のポジショニングと欧州の高いレベルでやってきたものをそのまま表現してくれました。代表のオマーン戦後に代表を離脱し数日間の休養が発表されました。あれだけ欧州のシーズン終了後に6月の代表戦があり、日本へ引っ越して、7月から五輪チームの活動があって、五輪が終わったらすぐに浦和に合流して試合に出まくって、さらに代表に呼ばれて、なんて想像するだけで相当にしんどい話です。

ただ、先述の通り、山中、西、デンとSBに入れる選手が軒並み試合に絡めなかったため、酒井の馬力に頼ってしまったところは仕方ないとも言えます。というか、このタイミングで酒井がいなかったら本当にきつかったですね。


さて、試合ごとに見て行くと、札幌戦は中断期間で上手くトレーニングが出来なかったんだなというのが選手の動きの重さにも出ていましたし、それに加えて札幌についてはJ1の中で唯一と言って良いはっきりしたマンマークでの守備を行うチームなので、それまで積み上げてきたものだけでは対抗することが出来ず、局面での1vs1を強いられ、それを外せず、というところで敗れてしまいました。

3月のホームゲームは宇賀神が負傷によって起用できず阿部が右SBに入り、阿部に上下動を強いることは難しいという制約があったこともあり、右SHに入った関根がSH兼WBとして奮闘していて、全体での守備の基本陣形もそれまでの試合は一貫していた4-4-2からプレッシング時は4-3-2-1、撤退時は5-4-1に変化するような形でした。

今回の試合は前半は4-4-2をベースに守備をしたものの1失点目のCKへの経緯でもあったように中盤を空洞化する代わりに後ろと前は幅を大きくとる札幌に外されてしまう場面が出てきてしまいました。

後半は3月に対戦した時のように4-3-2-1のような形に変えて、まずは2CH+宮澤で形成されるビルドアップ隊に前の3枚を当てるようにしてからは形勢が安定するように変わってきたものの、試合の大勢をひっくり返すには至りませんでした。


これは7月の仙台戦の時に作った図ですが、今シーズンここまでの浦和の守備の大まかなイメージはこのようなものだったと思います。4-4-2で並んでから縦への侵入は許容しつつ外へ外へ追いやっていく守備は2トップの追い方がかなり重要で、それがチームで最もうまい小泉がいるかどうかでボールが奪える回数も変わっていました。ただ、札幌がちょっと特殊な相手だったということもありまし、中断明けはコンディション不良で小泉を起用することが出来なかったので、そういう点からも札幌戦に引き続き鳥栖戦でも守備の仕方に変化が見られたのかもしれません。


鳥栖戦では特に左の大久保の動き方が顕著でしたが両SHの守備での動き方に変化が見られます。これまでは2トップが方向付けをしながら自分のラインは越えさせる、SHもそれにならって自分のラインは越えられても良いので前には出ずにさらに外へ行かせるというスタンスが多かったのですが、この試合では2トップが前に出ていくことが多かったですね。3バックに対してSHが外を切るようにプレッシングをかけることで相手が使える前進経路を中央3レーンに限定するような動きを見せます。

ここまでvs3バックで苦労したのは自分たちは外に追い込んでいこうとしても中央に人数がいるので自分たちが出そうとしている横方向の矢印の逆へ逃げられてしまう場面が出てきてしまっていました。それに対してリカルドが示した次のステップとして自分たちが矢印を出す方向というか、相手の使える場所の限定の仕方にパターンをつけ始めて、それを選手たちが表現できたというのは非常にポジティブな変化だと思います。「相手を見る」というのがリカルドの中でかなり優先度の高い要素で、それに応じて自分たちの振舞い方も変化させていきたいのだと思うので、自分たちの手札をどれだけ増やせるかというのはとても重要です。

また、この守備の方法で功を奏したというか、良かった点としてはボールの取りどころがボランチ周辺にしやすくなったことかなと。すり鉢のようなイメージでボールが最終的に入ってくるのはボランチ周辺になって、ボランチが前向きにボールを持った状態でポジトラになるというのが、新加入でこの鳥栖戦がデビュー戦となった平野の状況認知力とパス精度の高さを活かすことに繋がりました。

ボールを持った時に最初に見るのは前で、見つけられればそこまできちっとボールを出せるというのはここまでCHで起用してきた選手たちとは違うキャラクターであり、彼の加入に際してリカルドがコメントした内容からもそこが彼に期待されていることだというのはうかがえます。

ボランチの補強はレッズに来た当初から考えていたことで、探していました。そのポジションでは伊藤敦樹や柴戸(海)が非常にいい仕事をしてくれていますし、阿部(勇樹)や金子(大毅)もピッチに立ったときは力になってくれていますが、たとえば徳島の岩尾 憲のようなタイプ、チームのブレーンになるようなタイプを探していました。それを平野選手ができるであろうということで獲得しました。

「レッズのスタイルを前面に押し出して、アウェイゲームでも勝ちたい」リカルド ロドリゲス監督(定例会見 8/6)

また、試合後にリカルドは明本についての質問に対して「彼は裏に飛び出す力とか、前半のゴールも彼が裏に抜け出してのゴールだったので、そういったところもうまく決めてくれたと思っています。彼が前線ですごくいい働きをしてくれたと思います」「狙いとしてはまず、プレスのところで前からかけていきたいというのがこの試合では大きくあったので、その中でどうすればよりそういったところを強くかけられるのか、それがうまくいったから点も決まったと思っています。ショートカウンターとか、そういったところで仕掛けていきたい狙いもあって」とコメントしています。

これを見ても、2トップが明本、江坂だったというのもボールを中央で奪ってからのポジトラという流れを好転させる要素だったと思います。裏に抜けられる明本、ライン間でボールを受けてターンできる江坂が、プレッシング時に外に出て行かないで済むので、平野がボールを取ったらすぐに彼らが相手ゴールへ迎える位置にいてくれてボールを出しやすかったのではないかと思います。攻守に切れ目ないプレーをするための設計と選手起用ですよね。

試合結果は前半に江坂が胸で出したスルーパスから明本がゴール、後半に明本が抜け出してPKを獲得して江坂がゴールと2トップが得点に直接絡む形での勝利でした。


続いてはACL出場を目指すチームとしては優先度の高い天皇杯。リカルドは「3つの守り方をした」と話していますが、札幌戦、鳥栖戦に続いて守備戦術に柔軟性が出て来たというのが表現できたという見方が出来ると思います。3つというのは恐らく陣形の話で4-4-2、4-5-1、5-4-1のことかなと思います。

また、試合後に記者からの質問で江坂と関根のポジションが入れ替わることもあるというのは、次の徳島戦でもそうですが、攻撃時のタスクとして江坂には相手の中盤背後のスペースでボールを受けて運んだり展開をつけてもらいたいというのがあって、その時々で江坂が受ける場所が中央寄りの時もあれば外寄りな時もあって、関根はそれに応じて中でも外で前に出て行こうとするので、攻撃時にどこにいたのかによって守備に切り替わった時のスタートポジションは変わりますので、ここは関根と江坂が状況に応じて柔軟に対応出来たということだろうと思います。どちらもトップ下でもSHでもプレーが出来る選手なので、攻守どちらにおいても上手くやれるというのは強みだと思います。

さらに、酒井が4バックに組み込まれたこともあって、ゴール前まで撤退した時にはきっちりゴール幅に人数をかけてシュートコースをしっかり限定して簡単にはシュートを打てない、打ってもキーパーがコースを予測できるという状態が作れています。

これは鳥栖戦でも失点シーンはプレッシングを外されてピッチを横切られて全体でスライドを強いられたので難しかったですが、それ以外の押し込まれたシーンではペナルティエリア内にGK+7~8人が入っており、最後のところでの粘りというのが表現されてきていて、こういう勝負にこだわる姿勢というのが伝わってくるのはとても良いと思います。


京都から淡路島を経由して乗り込んだ徳島での試合では、リカルドの修正能力とそれを表現出来る選手の能力が際立ちました。前半は徳島が右SBの岸本を押し上げる右上がりの形で、最後尾が3枚のビルドアップをしてきたのに対して、4-4-2から中央はトップ下の関根が消しつつ、右SHの田中を前に出していきました。しかし徳島には縦スライドする田中の矢印を利用して、田中の外に西谷やジエゴ、背中に宮代が入ってくることでプレッシングを回避されてしまい思うようにボールを奪うことが出来ませんでした。

また、攻撃でも浦和の2CB+2CHが3-1になる形に嵌めるように4-5-1というか4-3-2-1のように並んでプレッシングをかけてきました。浦和は岩波に向かって出て行く宮代の背後や、平野のところに意識を向ける岩尾の周辺に関根や田中が出てきてプレッシングをひっくり返そうとしますが、このスペースへは左SBのジエゴが積極的に出てきてボールを奪われてショートカウンターを受ける場面が20分台に連続して発生しました。

攻守ともに思惑がハマらなかったため、ハーフタイムで江坂→田中の選手交代と、攻撃時のタスクを前半関根が担っていた宮代の背後に江坂、岩尾の周辺に関根とすることで、徳島のプレッシングに噛み合うビルドアップ隊からボールを引き受ける役割として江坂が機能し、ボールが前進できるようになりました。

この後の試合も似たような傾向が続きますが、ビルドアップ隊を相手のプレッシングにハマる状態にしておくことで相手を前に引き出して、そこから後ろ向きにボールを受けても平野がワンタッチで自分の斜め後ろに流すことで相手のプレッシングをひっくり返して一気に加速しようとする動きが増えました。平野の状況把握の能力があるからこれが出来るようになったと言えますし、CB陣もショルツの加入で槙野、岩波、ショルツのローテーションが出来るようになったことで疲労を分散することが出来、相手のプレッシングを受けるとしても距離を取ったポジショニングからスタートできるようになったことは大きいと思います。

徳島、広島、湘南、川崎と構えてセットしたところからではなく、自分たちから前に出てボールを奪いたいという意識が強めなチームとの対戦が連続したので、この連戦中にこういった傾向が出たのかもしれません。

守備面では江坂がトップ下か右SHに入るため縦スライドさせるのを左の汰木に変更し、右はSHが内側のスペースを埋めて外にボールが出た時には酒井が縦スライドしていくという運用だったと思います。これによってボールを奪った後に前にボールを運ぶ役割の江坂がピッチ中央付近にいて、前でプレーすることの多い関根、汰木、明本が守備時と担当するエリアが近い状態に出来たのは良かったと思います。


そして、守備のやり方は広島戦でもさらに一工夫というか、それまでのベースから派生した方法を見せました。それまでのベースと3月の札幌戦でのやり方のかけ合わせのようなイメージになると思いますが、この試合では左SBにショルツを入れて守備の時はなるべく外に出さずに中央をしっかり固めます。そして、ショルツの外側へは左SHの関根が下りてくることでWBのような役割を担いました。ただ、プレッシング時は4-4-2のSHとして縦スライドする場面もあり、関根はSH兼WBとして振舞いました。川崎戦のMDPでリカルドが守備は4バック、攻撃は3バックと表現していたので、この見方であっているだろうと思います。

攻撃時は3バックというのは広島の3-4-3にあえてハマりに行ったという見方が出来るでしょう。広島の守備は自分たちのバランスを保つよりも相手を捕まえることを優先するがあるように思います。そのためあえて3バック+2ボランチがズレずに立って相手にロックしてもらうことで、広島のボランチの脇や背後のスペースを作ろうとしたというのが狙いだったのかなと。

得点はこの図で言うと藤井が攻撃時に前に出てボールを奪われた流れで松本が藤井のエリアへ出張していて不在だったため、敦樹がそこへスッとバックステップで入り込んでいます。狙った場所をきっちり使って得点できたというのは素晴らしいです。

ただ、単純にハマりに行くだけでなく、ショルツはライン際まで開いたポジションを取って浅野を外へ引っ張って浅野ー松本のゲートを広げるような狙いもあったのではないかと思います。加入時に「センターバックとしてはおもしろいタイプだと自負しています」という言葉の通り、グイグイ運んでいけるドリブルであったり、適切なポジショニングを取れていたり、単純にCBとしてだけ扱うのはもったいないと思わせる要素を見せてくれています。


8月最後の湘南戦は連戦の終盤であり、この後に中2日、中3日でルヴァン杯の川崎戦が控えているということが選手起用にかなり影響があったのだろうと思います。江坂、小泉、明本、関根はそれぞれ45分のプレーに留まったのはこの試合を難しくした要素になったのではないかと思います。

この試合でも狙ったスペースは積極的に前に食いつく中盤の背後のスペースで、前半はこのスペースを使うのが小泉とユンカーになりました。小泉はシャドーの位置で上手くボールを受けてターンしてというタイプの選手なので抵抗はないでしょうが、ユンカーは後ろ向きにボールを受けるよりも裏に抜けて前を向きながらボールを受けることに長所がある選手なので、ライン間でボールを受けてターンしてというタスクはこなしきれなかったと思います。

後半から江坂と明本がユンカーの近くに入ってきて、ユンカーと明本が裏を狙いつつ、空いたスペースで江坂が受けて前を向くというそれぞれの長所がハマるようになってチャンスになる場面もありました。

ただ、相手に出てきてもらうために後ろにも人を割きつつ、それをひっくり返して前に進む選手も置きつつ、となるとどうしても中盤の人数は手薄になってしまってトランジションがなかなか機能しなかったり、湘南の中盤の走力が上回ったりと試合全体では思うような内容には出来なかったと思います。


湘南戦で選手を休ませながらプレーさせることが出来た成果が川崎戦の2試合には間違いなく出たと思います。0トップ2シャドーのような江坂と小泉と右SHの関根はもちろん、左SHの汰木もその前に出たのが徳島戦で1週間以上試合感覚が空けられたこともあってか江坂小泉が引き出した相手CBの背後を狙ったり、今度は自分がライン間で待って受けたり、2試合通して良いプレーをたくさん見せてくれました。

汰木についてリカルドはWGよりもトップ下、シャドーとして期待をかけているのが春先の鳥栖戦であったり、5月の名古屋戦であったり、シーズンの序盤から何度も見受けられていました。それがいよいよ花開きつつあって、あとは得点をしっかり取れるようになれば。。という感じですね。

川崎戦から1日経ってから書いてますが、まだ思い返すとちょっと興奮気味なのでこれくらいにしておきます。


◆プレーコンセプトは表現出来ていたか

※各項目5点満点
1) 個の能力を最大限に発揮する
 →3点(3月=3点/4月=4点/5月=4点/6月=4点/7月=3点)
2) 前向き、積極的、情熱的なプレーをする
 →4点(3月=2点/4月=4点/5月=4点/6月=5点/7月=4点)
3) 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする
 →3点(3月=2点/4月=3点/5月=3点/6月=4点/7月=3点)

1) 個の能力を最大限に発揮する

→ 4点

江坂、酒井、平野、ショルツと新加入選手がそれぞれの持ち味を早速発揮していて、それが今季積み上げてきたチームに馴染んでいるので、現場とフロントが上手くかみ合った補強をしているんだなと実感できましたね。

ただ、怪我もありつつ夏場の暑さにお疲れ気味のユンカーはちょっとうつむき気味なところが中継で何度も抜かれていたのは気掛かりです。ちょっとずつ涼しくなって、フェイスガードが取れた時にはまた加入当初のような得点量産モードに戻ってくれると良いですね。

連戦の中でこの項目を考えるときに出場時間の配分がポイントになると思うのですが、そういった点でもCBにショルツが入って岩波、槙野とローテーションが出来るようになったこと、CHも柴戸と敦樹が第1選択のところに平野が入ってきたことで、平野が第1選択になりつつもある程度負荷を調整しながら試合が出来たのは良かったと思います。

攻撃的なポジションも江坂の加入が小泉・ユンカーの不在を埋めてくれましたし、関根がここにきてコンディションを上げてきていて、8連戦のうちスタメンが7試合で2ゴールととても頼もしくなってきました。そして、明本は相変わらずタフですね。連戦の方が走れるなんて言ってましたが本当なんですね。

ちょっと見にくい表ですがご容赦を。太字がスタメンです。

2) 前向き、積極的、情熱的なプレーをする

→ 4点

ゴール前の最後の局面にはしっかり戻って人数をかけるとか、プラン通りいかなくても、良くないなら良くないなりにやれることをやる、という姿勢の部分が結果に反映されたのが8月だったのかなと思います。

プラン通りに上手くやれた時に勝てるのはそりゃそうだよねとなる訳ですが、ではプラン通りに出来なかったときにそのまま負けちゃっても良いの?と言うとそうではないわけで。川崎戦で3点目を取られた後の盛り返しもそうですが、こういった苦しい展開の中でも結果を掴めたというのは見ている我々にも自信になったのではないでしょうか。


3) 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする

→ 3点

相手に出てきてもらってひっくり返すという前進の仕方だとどうしても間延びしやすくなってしまうのでネガトラが難しいなと言う場面がありました。これは起用出来る選手の頭数やキャラクターによる制限もあったと思いますし、前に出ながら守備をしたいチームとの対戦が続いたのでそう見えたというところもあると思います。

守備から攻撃については平野が顕著ですがスムーズにいきやすかったですし、守備のやり方が相手によって柔軟に出来るようになってきたので、攻撃までひとつながりに考えやすくなってきたというのもあるともいます。

9月は試合感覚が週1ペースで落ち着くので選手のコンディション整備が出来たり、相手の傾向が変わった時にどうなっていくのかは気にしておきたいところです。


◆9月の試合予定

9/1 (Wed) ルヴァン QF 1stLeg (H) vs 川崎 (66pt / 20 / 6 / 1 / +41)
9/5 (Sun) ルヴァン QF 2ndLeg (A) vs 川崎 (66pt / 20 / 6 / 1 / +41)
9/11 (Sat) J1 第28節 (A) vs 横浜FC (18pt / 4 / 6 / 17 / -36)
9/18 (Sat) J1 第29節 (H) vs C大阪 (33pt / 8 / 9 / 9 / 0)
9/25 (Sat) J1 第30節 (A) vs FC東京 (42pt / 12 / 6 / 9 / +1)

※()内は8月終了時点でのリーグ戦の 勝点/勝/分/負/得失点差
※浦和 (45pt / 13 / 6 / 8 / +3)

9月はようやく連戦から解放されることになりますが、ルヴァン杯を勝ち上がったことにより10月の頭に3連戦、後半はルヴァン杯で決勝に進むことが出来れば天皇杯も含めた5連戦が待っており、シーズン終盤に向かってトレーニングの時間をきちんと取れるのはここが最後かもしれません。対戦相手も自分たちよりも下の順位なのでここで勝ち点を積み上げられるかどうかで終盤戦をどういう立ち位置でやれるかが変わってきますが、ここでしっかり内容も伴った試合を積み上げていけないと結果がすべての終盤戦は苦しくなってきてしまうのではないかと思います。

ルヴァン杯川崎戦で感じたあのヒリヒリというか、緊張感のある試合というのを数多く経験することがチームの成長を加速させると思いますし、三年計画の目標である2022年のリーグ優勝に近付くためにも、ここで一度腰を据えてチームの足元を固めて行けると良いですね。


今回も駄文にお付き合いいただきありがとうございました。


浦和レッズについて考えたこと

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