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三年計画の定点観測(2021年6月度月報)

コラム・考察

ゆうき
ゆうき

2021.07.03


本記事はゆうきさんがご自身のnoteで連載中の記事になります。

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◆前書き

昨年はリーグ戦の試合の直後にアンケートを取って、自分の評価と比較しつつ三年計画のプレーコンセプトが表現できていたのかをまとめていました。ですが、協力してくれた方もアンケートの項目が多くて面倒だったんじゃないかとか色々自分なりに考えて、今年は試合ごとの記事はその試合の内容によってピックアップする事象を変えた雑感として出しつつ、月の終わりに月報のような形で三年計画のプレーコンセプトについての定点観測をしようと思います。

◆今月の戦績

6/6 (Sun) J杯 PO 第1戦 (A) vs 神戸 ○2-1
6/9 (Wed) 天皇杯 2回戦 (H) vs 富山 ○1-0
6/13 (Sun) J杯 PO 第2戦 (H) vs 神戸 △2-2
6/20 (Sun) J1 第18節 (H) vs 湘南 ●0-3 (2-3)
6/23 (Wed) J1 第19節 (A) vs 柏 ○2-0
6/27 (Sun) J1 第20節 (H) vs 福岡 ○2-0

※リーグ戦 2勝0分1敗 4得点3失点(+1)
※ルヴァン杯 1勝1分0敗 4得点3失点(+1)
※天皇杯 1勝0分0敗 1得点0失点(+1)

6月の前半はカップ戦でしたが、まず驚いたのはアウェイ神戸戦のメンバーから小泉とユンカーを外したことでした。そして、神戸はここまで浦和が苦戦してきた相手の傾向であったり、5月にリーグ戦で対戦した時に幅を使って浦和が攻めて来たことを鑑みて5バックを採用。

いきなりコーナーキックから神戸が先制しそのまま神戸優位に進むかと思われましたが、前半のうちに同点に追いつきました。しかも5バック相手にも関わらず大きなサイドチェンジで幅を使った得点でした。ピッチを広く使う、相手がいない場所から前進する、というのは取り組んできたことなので、相手の陣形はともあれ自分たちの目指していることで得点できたのは非常にポジティブだったともいます。

また、神戸の小林はこの失点を「5枚にしているメリットが無くなってしまっている」とコメントしましたが、神戸としてはパッと5バックを取り入れた中で思いのほか早く浦和にやられてしまったという感覚だったのかなと。

さらに、ハーフタイムで大崎が負傷交代したのも神戸としては大きな誤算だったと思いますし、2点目も興梠のループはあまりにも鮮やかだったものの、滑りやすいピッチで知られるノエスタは神戸の選手にも牙をむいてしまったわけで、神戸としては腑に落ちない敗戦だったのかなと思います。

リカルドは「そもそも神戸がやり方をここまで変えてくることは想定していませんでした」とコメントしていましたが、試合中にしっかりと修正してアウェイゴールを奪っただけでなくリードした状態でホームへ帰ることが出来たのは非常に大きかったですね。

(神戸がやり方を変えてきた一つが3バックだと思うが、攻撃と守備の両面での修正とはどのようなものだったのか?)
「いくつか話しましたが、まずはビルドアップやそこからどうやって前進していくかという話をしていきました。相手のディフェンスの対応の仕方、振る舞いで『こういうふうにやってくるから、我々はこういうふうにボールを動かしていこう』という話をしました。その中で相手にどうダメージを与えていけるか、まずはそういった話で、修正をして、実際に選手たちはそれをうまくやってくれたと思います」


神戸戦から中2日の天皇杯富山戦にユンカーと小泉という現時点では浦和の攻撃の核になっている選手を起用。さらに、相手は神戸に引き続き5バックだったわけですが、ここで左SHに左利きの大久保、右SHに右利きの田中と順足のセットに加えて、縦への突破力が長所の選手を起用しました。攻撃時の彼らのスタート位置は相手のWBの近く、あるいは背中になっていて、WBの手前のスペースには西と山中を置くことで、相手WBに手前と奥の2択を突き付けようとしたのだろうと思います。

ただ、この試合では富山の5-3-2が非常に縦にコンパクトになっていたことと、WBが浦和のSBまで縦スライドした時にSHの選手がサポートをしようと一緒に寄っていってしまったことで富山の守備組織を広げることが上手く出来ませんでした。この辺りは必ずしもそのチームが属しているカテゴリーが試合の内容に反映されないことの証左であって、浦和ももちろん改善すべき点があったわけですが、富山がしっかり準備したものを表現していたという面を見落としてはいけないですね。

試合全体としてはこの試合でポイントになるはずだった両SHがなかなか上手く裏へ抜け出せない場面が続いたものの、最後に大久保がドリブルで運んでゴールにつなげたのは非常にポジティブで、彼自身のその後の出場機会にもつながったわけですし。

この試合は、久しぶりに現地観戦出来たのですが、そこで感じたのは選手たちの声掛けの内容がとても良かったこと。バックスタンドで観ていたので、前半は浦和の左側だったのですが、岩波が2トップ脇をドリブルで運んでいるときには山中に対して声をかけて、取ってほしいポジションを手で示したり、ピッチの内側でプレーをする選手がボールを受ける時に周りから「ターン!」という声がかかっていたり、正に今チームが成長している部分がこうした日々の意識づけの上に成り立っているのだと感じることが出来て嬉しかったです。


富山戦から中3日で再び神戸との対戦になりましたが、神戸は天皇杯がこの翌週だったため中6日と両チームのコンディションには差があったと思います。神戸は今度は中盤をひし形にした4-4-2でやってきて、浦和の選手たちが「へそ」と称する相手のFWとMFの間のスペースにはイニエスタが入り、金子に対して背中からついて行ってターンさせないようにしたり、ボール保持では2CB+イニエスタ以外の中盤の選手がビルドアップに関与することで浦和の4-4-2の守備はなかなか規制がかかりにくい状況を作られました。

神戸の方は必ず2点は取らないといけないというミッションが課されていたこともあって序盤から重心高めに攻めたものの、高徳のシュートが空振りしたところを小泉がかっさらって浦和が先制。直後にドウグラスに追いつかれたものの、前半終了間際に宇賀神が相手の裏のスペースめがけてクリアしたボールをユンカーがスピードでもぎとり前週の興梠をそっくり再現したようなループで勝ち越し。終盤に神戸が3-4-3へ陣形を変え、イニエスタにFKを直接決められてしまったものの最後は浦和の方も岩波を投入して5枚にして第1戦でのリードを守り切ることが出来ました。

チーム全体としての練度という意味では決して十分ではないものの、陣形をどんどん変えてきた神戸に対して、自分たちもやり方を変えたりして対応することが出来ましたし、この3連戦を通して見ても多くの選手を起用しながらしっかり結果を出したというのはチームとしての底上げが進んでいることを実感できたかなと思います。


そして6月後半の3連戦はリーグ戦。初戦の湘南は5-3-2ということもあって、天皇杯富山戦のメンバーがベースになりました。さらに、富山戦であがった相手のWBに対していかに2択を突き付けるのかという課題に対する回答がしっかりと示されています。

3バック(5バック)になると、たいていのチームは外レーンがWBのみになります。そのため守備時に最も手薄になりやすいのは外レーンで、逆に言えば手薄なゾーンは相手が使いやすいスペースなのでここへの人の出し方を整理することが出来れば、そこを相手をおびき出すための罠としても使うことが可能です。

なので、湘南は昨年もそうでしたが、2トップの脇かつWBの手前のスペースには早めにIHを縦スライドさせて外レーンからの侵入を阻み、内側へパスを入れてきたところを残りの中盤2枚と2トップで挟み込むというのが常套手段。昨年の開幕戦で柴戸がこのエリアで潰されたシーンが何度か出たのもこういう構造が理由だったと思います。

なので、浦和としてはIHが届かない場所からWBの手前に進んでいきたくて、そのためにはSHが高い位置で外に張ってWBを留めておく、SBが湘南のIHが届かない外側から侵入していくというのが湘南戦での雑感でも図にして出した3'40~のプレーでした。

しかし、この試合ではこれまで取り組んできたプレーの中で起きた決定的なミスが試合を動かしてしまいました。金子も彩艶もかなり悔しい思いをしたとは思いますが、このミスがあったからもうこれをやるのはやめようということではなくて、このリスクを冒してでも得られるリターンがあるので、ここの不確実性を無くしていけるように頑張ろうというのが、今のチームのスタンスであることを試合後にリカルドは話しています。

(試合内容は素晴らしかったと思うが、前半の最初から、GKからのボール回しですごくリスキーなプレーが多かったと感じた。しっかり組み立てることと、自陣のペナルティーエリアでリスクを冒すことは違うと思うが?)
「もちろんリスクを冒してやっているというところもあると思いますけど、ただ我々は前線に蹴ってもそこで勝てず、そこから相手にゴール前まで持っていかれるというシーンがこれまでもあったので、そういったところに関してはそれぞれの考え方があると思います。ただ我々はそこのリスクを冒しているだけではなく、どうやったら相手のゴールに迫っていけるか、そういう攻撃を後ろからしているので、何がチームにとって最善なのか、そういった考えを持ってやっています。
もちろん、今日の失点シーンのようなことも起こりうると思います。ただ我々としては、どういった崩しをしていきたいのか、それを考えながら進めていました」

リカルド監督 湘南戦試合後会見

続く柏戦はまたしても中2日ということもあって、スタメンを9人入れ替えて臨みましたが、チーム全体としてパフォーマンスが落ちたかと言えばそうではなく、ビルドアップではどんどん運んで柏陣内に優位な状態で侵入し、後はゴールを決めるだけという場面を何度も作り出していました。

結果としては60分に興梠と武藤に代わってユンカーと小泉が入ってからスコアは動きましたが、スタメンで出た2人が決して悪かったわけではなく、言い方は良くないですが、このくらい守備が甘い相手で、なおかつ4-4-2であればこれくらいは全然できちゃうよというのが示せたと思います。


柏戦が19節でいよいよシーズンを折り返していくわけですが、5月に敗れた福岡に対しても、こちらは柏よりもしっかりとした守備の規律はあるものの、オーソドックスな4-4-2の守備隊形であったこともあって、岩波、槙野、柴戸、敦樹のビルドアップ隊は相手を見て、しっかり離れたりラインを越えられるポジションを取って、オープンな状態でボールを持てばどんどん運んで、それによって前から選手が下がってくる必要もなくなって、という好循環のうちに先制点を奪うことが出来ています。

レギュラーを失うきっかけになってしまった相手との試合ということで西川も期するものがあったようですし、チーム全体としても前回対戦から成長したところを見せつけてリベンジを果たせたのはシーズン後半戦に向けて大きな弾みになるだろうと思います。


大きな怪我を抱えている選手がいないということもありますが、6月は20人以上の選手が試合に絡み、誰かが穴になるということもなく安定した内容で6試合を戦い抜きました。

各個人が出来ることを起点として、選手間でお互いにコミュニケーションを取りながら積み上げて行くチームであれば、それぞれが一緒にプレーした時間の長さがチームとしての成熟度に比例するためメンバーを固定しないと難しくなってしまいます。

ですが、今の浦和は共通の設計図(プレーモデル)をみんなが持っていて、それを実現するために自分がやるべきことは何かを掴んでいく積み上げ方なので、求められているプレーを表現出来る度合いが試合に出るための基準であり、勿論個人間のコンビネーションがあるに越したことは無いのですが、一緒にプレーする時間が多くないとしても同じ展開を共有しやすいので、チーム始動から約半年かつ半数の選手が新加入であるにもかかわらず、これだけスタメンが入れ替わってもチームとしての基盤がブレずに試合が出来ているのだろうと思います。

3月はこの設計図の習熟度が高い選手が少ないため、より理解している選手しか試合に使いにくいという段階とリカルドもコメントしていましたが、6月の試合の見る限りはそこからかなりチームとして前進していることが分かります。

湘南戦の手痛い敗戦で久しぶりに負けましたが(試合に勝っていたとしても結局敗戦扱いになってしまったようですが)、4月~6月は各月1敗しかしておらず、6月終了時点で5位、3位の名古屋とは試合数が並んでいて3ポイント差とクラブもリカルドも公言しているACL出場権獲得の競争にしっかりとカラム位置につけています。

◆プレーコンセプトは表現出来ていたか

※各項目5点満点
1) 個の能力を最大限に発揮する
 →4点(3月=3点/4月=4点/5月=4点)
2) 前向き、積極的、情熱的なプレーをする
 →5点(3月=2点/4月=4点/5月=4点)
3) 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする
 →4点(3月=2点/4月=3点/5月=3点)


1) 個の能力を最大限に発揮する

→ 4点

リカルド自身が決まったフォーメーションに固執するわけではなく、選手たちの状態と相手との兼ね合いの中で形や役割を変える柔軟性のある監督ですし、それが6月のSHの起用法に象徴されると思います。

湘南のような5バックでなかなか内側のスペースが空きにくい相手には大久保、田中という外から縦に仕掛けて相手を外に引き出す選手が活きますし、柏のように人を意識して守備をする相手には味方とポジションを入れ替えたり、外でも内でも器用にプレーが出来る汰木と関根が活きます。

チームとしてやるべきことを表現出来る選手が増えて来たからこそ、こういった個の能力を活かしながらより柔軟に戦えるようになってきたと感じます。

また、槙野、岩波のビルドアップでのポジショニングが改善されてきて、当たり前のようにボールを運んでいける回数が増えてきたことで、周りの選手がわざわざ下りてボールを引き出す必要性が無くなってきていますし、柴戸、敦樹、金子といったボランチの選手たちがどんどんターンが上手くなってきているので、相手のプレッシングをかわして広いスペースへボールを逃がすことが出来るようになってきました。

その結果、西や小泉のような器用な選手が不具合を埋めるために動くのではなく、より相手の組織の間、内側でプレーする、リカルドの言葉で言うならば「より相手にダメージを与える」ためのプレーに専念できるようになってきていると思います。

江坂加入時の会見で西野TDが「チームコンセプトの3つのうちの1つが『個』ということで、『個々の選手の潜在能力を最大限発揮する』ということがあります。ですので、今いる選手たちがもっともっとレベルアップすることも補強のうちだと考えています。」というコメントをしていますが、それが着実に進んできていると言って良いのではないでしょうか。


2) 前向き、積極的、情熱的なプレーをする

→4点

この項目は姿勢についてなので主観的な要素が強くなりますが、上手くいかない時間帯であったり、失点した後だったりの選手たちの振る舞いが3月から比べるとかなり変わってきたように見えます。下を向いたり、ネガティブな表情をすることが減りましたし、失点を引きずってそこから試合が壊れることは無くなりました。

ただ、どうしても湘南戦の3失点目以降のパワープレーには納得いかないというか、それはしないんじゃないの?という疑念が晴れません。。あそこについては、勿論後ろ向きなプレーをしていたとは思いませんが、自分たちが一番得点を取れる可能性を選択したのか?と問われた時にパワープレーがそうだったのかというと違うのではないかと思います。湘南のDFの身長が高くないことを考えれば健勇の高さで殴ろうとしたのかもしれませんが。


3) 攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをする

→4点

ボール保持の質が高くなったことで、自分たちのポジションバランスが良い時間がかなり増えたと思います。その影響でカウンターからピンチを迎えるような場面はほとんどありませんでした。ルヴァン杯のホームゲームでは浦和も神戸もボールを持つ時間がありましたが、ボールを奪った後にどちらがより危ない場面を作れたかと言えば浦和の方だったと思います。

福岡戦も5月の対戦時はボールを奪われた後に明本が攻撃で前に出ている時に空けているスペースへ長いボールを入れられたりもしましたが、今回はそうならずにそのまま奪回できる場面がいくつもありました。槙野が左からカットインしてシュートを打った場面はトランジションが上手く機能したからこそでしたね。

6月中にトランジションについての記事を書いたのですが、

「攻守に切れ目のない」ってナンだ!?

そこでのコメントや江坂加入時の西野TDのコメントで、「攻守に切れ目のない」というコンセプトの次の階層として「ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく」ことが掲げられていたことを失念していたことに気付きました。

改めて2019年12月に掲げられたコンセプトを読むと

攻守一体となり、途切れなく常にゴールを目指すプレーを選択することです。具体的に簡潔に説明しますと、守備は最終ラインを高く設定し、前線から最終ラインまでをコンパクトに保ち、ボールの位置、味方の距離を設定し、奪う、攻撃、ボールをできるだけスピーディーに展開する、そのためには積極的で細やかなラインコントロールが必要になると思います。

攻撃はとにかくスピードです。運ぶ、味方のスピードを生かす、数的有利をつくる、ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていくことです。相手が引いて守るときには時間をかけることも選択肢としてありますが、フィニッシュを仕掛けるときにはスピードを上げていくことが重要です。攻守において、認知、判断、実行のプロセス、全てのスピードを上げることが重要になります。このプロセスをチームとして共有して、パフォーマンスとして見せることを目指します。

ということが掲げられています。

2020シーズン 浦和レッズ 新強化体制記者会見

状況によっては時間をかけることを許容しつつ、あくまでもボールを奪ったらゴールに直結するようなプレーをしたいというのがコンセプトでした。

現時点では相手の中盤ラインよりも自陣側でボールを奪った時には時間をかけて自分たちのバランスを整えてから攻撃に出て行こうとすることが多いので、奪ったらゴールへという場面を作るにはより高い位置でボールを失うことが必要になります。

大槻さんもこの点には「たとえば、相手陣地でボールを奪いたいと思ったら相手が自陣でボールを持っていてくれないと困ります。」という風に言及していて、では相手のゴールに向かって行ける場所でボールを奪い返すためにはどうするのか、というところでリカルドはボール保持を安定させて、より高い確率でそこまでボールを運べる回数を増やしましょうというアプローチなのだろうと思います。

先日の記事の繰り返しになってしまっているかもしれませんが、ボール保持の精度が高まるほど、より奪ったらすぐにゴールへ迎える場面が増えるのではないかと期待しています。


さて、コンセプト全体で見ると、3年計画発表の時には「2021年は飛躍の年とし、選手全員がコンセプトを理解できること、表現できることを目指し」とあるんですよね。この目標にどんどん近づけているのではないかと思います。

◆来月の試合予定

7/3 (Sat) J1 第21節 (A) vs 仙台 (15pt / 3 / 6 / 10 / -17)
7/7 (Wed) 天皇杯 3回戦 (H) vs 相模原 (J2 22位)
7/10 (Sat) J1 第22節 (A) vs 大分 (13pt / 3 / 4 / 12 / -17)

※()内は6月終了時点でのリーグ戦の 勝点/勝/分/負/得失点差
※浦和 (34pt / 10 / 4 / 6 / +2)

リーグ戦2試合と天皇杯の3連戦になりますが、相手はいずれもリーグの下位に落ち込んでいるチームで、6月については相模原と大分はそれぞれ天皇杯での1勝のみ、仙台は勝利なしと直近で見てもなかなか結果が出ていない状態です。チームの状態や選手個々の能力から言えば3連勝しておかなければならないと思います。

仙台は4バックがベースになると思います。5月の対戦では流動的なポジショニングでビルドアップをしようとしたら、思っていた以上にプレッシングを受けてなかなか自分たちでうまくボールを持てない、ボールを持つためのポジショニングが取れないという現象が起きました。そこからリカルドが選手個々のポジショニングを決めてあげることで、徐々にボール保持が安定して勝利を収めることが出来ました。

しかし、オーソドックスな4-4-2に対してはしっかり相手を見て、状況に合わせたポジションを取りながら攻めていけるようになってきているというのが柏戦、福岡戦で見られました。そのため、前回と同様、あまりポジショニングを固定しない状態から試合に入るのかなと想像します。その時にどれだけ相手より先にポジションを取って、自分たち主導で試合を進められるのかというのが楽しみです。


相模原と大分は3-4-3がベース。相手のFWは1トップの状態から守備に入ることが想定され、外レーンもSHとWBの2枚で対応する可能性があります。そうなった場合、同じ3バックでも前が2トップだった富山や湘南に比べて相手陣内で使えるスペースが少ない状態になる可能性が高いです。

4月のホームでの大分戦では浦和がボールを持てた時間帯には、岩波と槙野が早めにボールを離してしまうことで5-4のブロックをあまり動かすことが出来ませんでした。続く福岡戦でもそれに近しい現象が出ていましたし、5月末の名古屋戦も同様だったと思います。ただ、6月末の福岡戦を見ると、しっかり相手を見て必要なアクションを選べる回数がどんどん増えてきているので、次回はその時のようにはならないのではないかと期待が高まります。


このように2巡目だからこそ、前回対戦で上手くいかなかった部分がどのくらい成長しているのかを測りやすいので、試合を観る前にいろんな方の1巡目の試合のレビュー記事を読んで内容を思い出しておくともっと楽しく試合が見れるのではないでしょうか。


今回も駄文にお付き合いいただきありがとうございました。


浦和レッズについて考えたこと

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