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【雑感】2022/3/13 鳥栖vs浦和(J1-第4節)

マッチレビュー

ゆうき
ゆうき

2022.03.18


本記事はゆうきさんがご自身のnoteで連載中の記事になります。

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初見の雑感

順位表という相対的な状況を気にするのはあと3か月くらい先でも良いのですが、自分たちの勝ち点という絶対的な状況というのは気にする必要があって、どんな理由があろうとも6戦終わって1勝1分4敗は昨年の同じ試合数よりも悪い数字なので早くこれは取り返してもらわないといけないですね。

ただ、何か呪文を唱えれば状況が一変することは無くて、「結果」を得られるために準備できることというのは、結局自分たちのアクションの起こし方を共有するとか、相手の出方を整理しておくとか、そういったことをして「内容」を高めていくことでしかありません。

なので、「結果」に対しての不満を持つのは仕方ないとして、どうやって「内容」を高めようとしたのかは自分なりに消化していこうと思います。負けた試合こそ「なんでこうなったんだよ」というのが分からないとそのまま嫌な気持ちを引きずってしまうので。


浦和とすれば湘南戦に続いて5バックのチームが相手となったわけですが、鳥栖からすれば前節の名古屋戦に続いて4-4-2ベースのチームが相手という状況。

名古屋vs鳥栖を見てみると、名古屋は右SBの宮原が手前に引いてWBの岩崎から距離を取った状態からスタートして、鳥栖が堀米、岩崎をプレッシングに出してきた時には堀米の背後にCFの酒井が下りてきてジエゴと競り合い、こぼれ球を岩崎の背後でスタンバイしていた相馬が拾って前進する場面が何度かありました。

一方、浦和は前節の湘南戦での雑感で取り上げたシーンのように左SBの大畑が相手WBから距離を取ったところからスタートして、IHとWBが出てきたときにIHの背後とWBの背後を使って前進しました。


鳥栖としてみると、前節名古屋戦の課題点と今節浦和戦で必要な対応が同じ現象だったのではないかと思います。そして、浦和は前節と同様に酒井と大畑がCBと同じくらい低い位置からスタートする場面があったものの、鳥栖のWBはそれぞれタッチライン際から縦のコースを切って寄せてきていました。

さらに、湘南は中盤が逆三角形でアンカー1枚になるのに対して、鳥栖は2CHが中盤にいるのでシャドーやWBが前に出てもその背後をケアする人数が1枚多くなります。なので、例えば大畑がボールを持った時には対面の飯野に左足から出すパスコースは消されていて、飯野と菊地の内側を通そうとしても小泉慶と福田が待ち構えているのでパスを出せないということで、そのコースを運んでつっかけていくしかないという状況になってしまいました。9'55~の場面がその例になると思います。


両サイドともこの傾向があったので浦和は18'50のビルドアップあたりから、主に右サイドで試行錯誤を始めました。その前からの流れの関係で岩尾がショルツに代わって最後尾にいる状態になりましたが、酒井が高い位置にポジションを取って関根が内側へ入り、小泉が堀米の背後に下りてくるようになりました。

ただ、こうして鳥栖のシャドーの背後で前向きな選手が作れても鳥栖のCH、シャドーの囲い込みが早くて前方向を塞がれてしまい、逆サイドへ展開するボールもあまりスピードが出ないのでその間に戻られてしまうということで、1stプレスを外したとしてもそこからスピードアップできないのでチャンスは作れないというもどかしい展開でした。


このもどかしさは選手の役割とキャラクターがちょっと渋滞気味だったということもあったように見えました。CHの並びは左が岩尾、右が敦樹でしたが、CBは左がどんどん運ぶショルツ、右が発射台の岩波なので、ショルツの前を低い位置でサポートするのが得意な岩尾で、岩波の前がBOXtoBOX的な動きが魅力の敦樹なので、ショルツが運びたい場所には岩尾がいるというのは美味しくないなー、逆の方がハマるんじゃないかなーというのが素人目には思うところです。

ただ、昨季も7月の大分戦で相手の3トップにはまるように3-1のビルドアップをしていて「なんでや!」と思っていましたが、8月の広島戦では相手にハマる配置からそれを利用して前進していました。なので、今回も何かリカルドに意図があったのでしょう。そこはまたどこかで答え合わせ的な場面が来ると思います。


続いて湘南戦で上手くいかなかった対3バックでのプレッシングですが、この試合ではひと工夫見られたのでそこも確認しておきます。

関根も明本もこの試合では割と早めに鳥栖の最終ラインに対してアクションを起こしていきましたが、この時のアクションを起こす方向が外から内に向かっていてCBからライン際へ開いた選手へのコースを消すように意識していたように見えます。

そして江坂、小泉は中央で縦関係になったり、すぐ近くで横並びになったりして関根や明本が内側に向けた矢印に向かって中から矢印を出すことで逆サイドへ逃がさないようにしていました。


この時に鳥栖はCHにボールをつけるのではなく高い位置を取ったWBや宮代まで飛ばしてきましたが、ここでロングボールを跳ね返すことが出来ず自分たちのボール保持に持ち込むことが出来ませんでした。

特に浦和の右サイドでは関根が外切りで出て行ってしまうとこぼれ球の回収に関与しにくくなってしまって、鳥栖の方は岩崎に対して堀米が素早くサポートに来るので酒井が1vs2を強いられる場面が多発しました。

将棋の駒に例えれば飯野は香車タイプで岩崎は桂馬タイプかなと思います。なので、飯野に近い方の菊地は飯野が突破しようとするコースは消さずに下がり目でサポートして、堀米は岩崎と内外を入れ入れ替わっており、特に堀米は左足のキックの質が高いので岩崎と入れ替わって外に開くとその長所を発揮しやすかったと思います。シャドーの人選やWBに対する関わり方はこれと上手く合わせているように見えました。


話を浦和の保持に戻しつつ後半へ時間を進めると、まずは配置変更がありました。関根が左SH、小泉が右SH、明本がトップになりました。アタッカーを江坂以外のポジションを入れ替えたということになります。

保持での小泉のプレーエリアは引き続き堀米の背後を軸にしつつ、酒井が高い位置を取ることによって空いてしまうスペースに敦樹が下りる動きが単純なローリングになるので分かりやすくなったかなと思います。

また明本がCFの位置から下りてくれば下図に表している59'30のように中央で岩尾、小泉、明本vs福田、小泉の3vs2の構図になって前進できる場面もありました。

ただ、この59'30からの流れのように小泉慶が小泉佳穂にガツンと潰しに来た場面が象徴的でしたが、浦和が前進できそうなところでもファウル覚悟で潰しに来ることが多かったと思います。

もちろん、クリーンなサッカーが好きな人であったり、ファウルを受ける側のチームのサポーターとしては「ふざけんな」となる話ですが、ファウルをすることで相手のスピードアップを止められるのであれば相手を傷つけるほど乱暴なものでなければ相手の攻撃を止める有効な手段とも言えます。

そして、この試合の浦和は何度もそれによって1stプレスを外して前に進めそうな場面があっても阻止されたり、審判との相性が悪い場面ではファウルにすらならずに相手ボールになったりすることもありました。Jリーグ自体が闘わせる方向に傾けようとしているので、今後も同じような悩みを抱える試合は続くでしょう。

昨年の10月以降の試合もそういう場面が多発して「プレー強度問題」が騒がれたわけで、じゃあこれをどうやって上回りますか?となった時に、個人的には相手にファウル気味を来られてもそれをターンで外せたり、相手に寄せられた時にボールを受ける前に一旦相手に体をぶつけて寄せきれないようにさせたり、個人のスキル・能力で解決が必要な部分もあるだろうと思います。小泉はこれを乗り越えてほしい。。


結局試合を決した失点は、ビルドアップで酒井を高い位置に上げたところで敦樹と小泉のパス交換が上手くいかずにボールを奪われ、酒井がいないスペースに岩崎と堀米が入ってきてしまいました。

この場面は敦樹がへそに入ったことで堀米の背後を取る小泉に岩崎が出ることが出来てしまって一気に窮屈になりましたが、技術面というよりはそもそもこの場面の配置の取り方がどうだったんですか?という感じだったかなと思います。これは後から落ち着いて振り返った方が良いかもしれません。

今季の試合では初めてこれは負けても仕方ないよなという内容だったと思うので、これは心が穏やかになったタイミングできちんと見返すべきかもしれません。決定機の数自体は同じくらいだったと思いますが、どちらがやりたいことを表現できたかというと鳥栖の方だったんじゃないかなと思います。


次の磐田戦が終われば代表ウィークに入るのでいったんチームとして仕切り直しになります。せめてそこに向けては気持ちよく入りましょう。ここからの一週間もやるべきことは変わりません。勝つ確率を高めるためにサッカーの内容を高めること、内容を結果につなげるために頭も体もコンディションを整えること。

俺は勝利に飢えてます。早く、勝利を与えてくれ!


今回も駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

見返しでの追記

この試合は色々整理しておいた方が良いなと思ったので、90分試合を観返しました。ここからは観返しながらの感想を追記していきます。

9'20~

上手く相手を浦和から見て中央から左に閉じ込めようとすることが出来たので自陣でボール奪取成功。奪った時の佳穂の前はオープンだけど、前にいるのが江坂だけ、鳥栖は3枚いる状態だったからか前進を自重し、後ろに戻してビルドアップ開始。堀米が岩波に寄せに行って敦樹が堀米の背後のスペースへ。岩波は堀米を十分に引き付けてから矢印の逆を取って中央の佳穂へ。ボールを受けた時の佳穂は菊地から2mくらい距離があるのでターンして前を向くか、横サポートが出来ている敦樹に渡せなかったか?

結局ファウルで潰されてしまった。

9'55~

FKを後ろに下げてビルドアップ開始。ポジションの取り方的に敦樹と岩尾が鳥栖の3トップにある2つのゲートの奥をイメージしていたのかも。ただ、鳥栖は岩波に堀米、ショルツに宮代を当てに行っているように相手を意識したプレッシングなのでゲートは生まれにくい。

大畑がパスコースがない状況を運んで打開しようとしたところでファウルを受けた。大畑が運ぼうとしたときに岩尾はショルツと岩波の間に降りることで運ぶコースは空けてあげているけど、佳穂が小泉を引き連れて寄ってきたので大畑が運ぶコースが塞がってしまった感じ。

10'15~

FKのリスタートでは岩尾が間に下りたまま。鳥栖の3トップにハマる形で敦樹と江坂がゲートの奥にいる状態。岩尾が宮代ー菊地のゲートに向かって運んでから奥の江坂に通したけど江坂→敦樹がずれてボールを失った。

鳥栖のCHは福田は下りてく江坂についていったけど、小泉は佳穂についているので敦樹はフリー。なので、江坂→敦樹が通れば小泉に対して敦樹、佳穂で2vs1になって、そこを足掛かりに前進できたかも。

江坂には福田がついてきているけど、江坂の左斜め後ろでついてきていたので、岩尾が江坂の右足よりも外にボールを出せば福田が来ていない方でターンできたかも。

敦樹が保持で相手から浮いていたのでネガトラの対応が早かったのは良かった。

13'12~

鳥栖のビルドアップ。浦和は2トップが中を閉じる、SHがCB→外のコースを切るという態勢で田代、朴、あるいは最後尾にCHが落ちたとしても中央で持たれることは許容。関根が田代→ジエゴのコースを切っているけど、それは地上の話で朴は関根の頭上からジエゴへ。鳥栖はジエゴ、岩崎が外外で酒井を挟んで立っているので、ジエゴとの競り合いは酒井、こぼれ球を拾う岩崎に対応するのも酒井。朴がジエゴに綺麗に通せるのが厄介。

16'26~

自陣深くからのスローイン。下りてきた江坂に当てるけどそのあとのサポートがない。例えば敦樹が横サポート、岩波が緊急サポートの動きをセットにするとか何か用意できないだろうか。一応、岩尾はバックステップで菊地から距離を取って緊急サポートを取ろうとしているけど、宮代と菊地がさっとゲートを閉めてしまった。結局蹴り出して回収された。

18'00~

朴が酒井vs岩崎をめがけて蹴ったボールを回収してビルドアップ開始。岩尾は菊地に向かって運んでロック。その間にショルツが菊地の脇を取りに行って、大畑が飯野の背後を取りに行く。明本はバックステップで原田を留めるアクションとの合わせ技で菊地の背後は空いた状態。このアクションの連動は綺麗。

江坂が菊地の背後へ入ってきてパスを受けるが、トラップが浮いて後ろ向きになってしまった。江坂としてはトラップを浮かしたままターン(カラコーレス)してついてきた福田を外そうとしたのかも。大畑の抜けだしには飯野が同じくらいの高さでついて行っていてパスを出してもヨーイドンになるので期待薄か。

18'50~

本文でも取り上げたビルドアップ。酒井が高い位置を取っているので岩波の右側はスペースがある状態で佳穂が受ける。ターンして前を向いたときにすぐ前にいた江坂は中央へ動いてどいてあげているんだけど、佳穂のスピードがいまいち上がらないので福田に追いつかれた。

佳穂が左に展開したときに画角が広くなると明本は中央にいたので酒井か明本を裏に走らせる展開があっても良かったけど、それだと間延びしてしまうか。

佳穂から左ハーフレーンで前に出てきた岩尾へパスが出るけど、このパスはハーフラインを超えるように出して岩尾が前に出てきた流れを継続させてあげたいな。左足で蹴った方が良かったかも。岩尾にボールが届いたときには菊地のスライドが間に合ってしまった。

19'15~

敦樹と岩尾は引き続きそれぞれが鳥栖の3トップのゲートの奥がスタート位置。この状態では鳥栖の3トップはプレッシングの行き先がはっきりしないけど、岩波がパッと出せる場所が見つからなくてショルツにパスすると堀米→岩波、宮代→ショルツ、菊地→岩尾、小泉→佳穂の構図がくっきりしちゃった。

欧州だとちょくちょく見かけるプレーだけど、例えば岩波が相手が動くまでボールの上に足を乗せて待って睨み合いをしてみても良いんじゃないかと思ったり。その間に佳穂とショルツがそれぞれもっと開いて小泉、宮代から距離を取ったり、周りがポジションを取り直してみるとかね。

それでも西川→敦樹→大畑が何とか繋いで相手を引き出したところでショルツ→関根→江坂で脱出したのは上手かった。酒井のグラウンダーのクロスを関根が止められていれば。。

21'00~

明本は原田に寄せに行くときに外の飯野の方を見ながらそっちに膨らんでいるので原田→飯野のコースは切ろうとしているんだろう。江坂と佳穂が縦関係なのは福田と小泉が縦関係なのでそこへのコースは切りたいという意識かな。ライン際のジエゴに対して関根は内側から寄せていて、関根の背中は敦樹(下りていく堀米のケア)、縦のコースは酒井(岩崎をケア)がそれぞれスタンバイ出来ているので上手く外レーンに閉じ込めている。ここは奪い切らないといけない。

21'26

自陣深くでのポジトラ。寄せてきた堀米をサクッと切り返しで交わした佳穂はお見事。この時に敦樹がもう少し中央に動いて宮代と距離を作れていると(イメージとしては主審の背後くらいの位置)佳穂の横サポートになって密集から逆サイドへ展開することが出来たかも。

同サイドは佳穂がどんどん相手に近づかれているから関根が近寄ってサポートしているんだけど、より一層密集になってしまった。

29'35~

浦和陣内から鳥栖がバックパスで下げていくのを佳穂がグングン追う。朴まで渡った時にはボールが来た元のサイドは切れていて、朴→ジエゴに対して関根も左足を振って中に入れさせるコースは切っている。ジエゴに縦へ蹴らせて酒井が競り勝って敦樹で回収。佳穂が小泉に後ろから削られたのは主審からは佳穂の足の間からボールを突きに行ったように見えたからカードにはならないという判断かな。

直前の佳穂の首の振り方的に小泉が寄ってくるのは意図してなかったんだろう。敦樹がボールを拾ったら佳穂に渡さないでそのまま運んでも良かったかも。関根はダッシュでこぼれ球回収のために戻ってきてたからもう一回ジエゴの裏に行くのは厳しいけど、佳穂がジエゴの裏を取りに行って、江坂が小泉の背中から縦に抜けようとしたら敦樹は横方向気味にドリブルするコースが出来て広く空いた逆サイドへ展開できたりしなかったかな。

鳥栖が同サイドの圧縮が早いので、そこから横に逃げて脱出するのはもっとあってもよかった気がする。

30'31~

バックパスをハーフライン付近でショルツが受けてすぐに外に開いた大畑へ展開。大畑には飯野がすぐに寄せてくるけど、ボールを受けた時にはまだ10mくらいあったのでボールを浮かせればその奥にいる江坂、明本には出せたかも。ただ、飯野の重心を見てキャンセルして中に運ぶ判断が出来るのは素晴らしいとも思う。

運んだ先に浦和の選手が誰もいないので鳥栖側は飯野、菊地、福田で囲い込んでしまった。めちゃくちゃ高い要求をするなら、大畑は運んだ時に菊地がプレスバックでついてきてマーク担当の岩尾が空いたので、運ぶのすらキャンセルしてそこを使えたら凄すぎてひっくり返るかも。菊地のプレスバックの速さも凄いけど。

32'16~

ほぼゴールキックの位置からFK。敦樹と岩尾は3トップのゲート上からスタート。ボールが動いて敦樹が堀米ー宮代のゲートの奥になったタイミングで小泉が寄ってくるけど、西川がここで一番外に開いた佳穂を見つけて、そこへピタッとボールを出したのは素晴らしい。

32'44~

ビルドアップ仕切り直し。ショルツ→西川→敦樹→ショルツでショルツ担当の宮代を振り回してショルツをフリーにしたのはナイス。ただ、ショルツにボールが入ったときに岩尾がショルツと入れ替わって空くスペースを埋めに行ったように見えるけど、それよりは中へ動いて菊地-宮代のゲート奥を取りに行っても良かったかも。画角が狭いから分からないけど、大畑が蹴った直後に見切れる範囲では中央がぽっかり空いていたように見える。

44'27~

左からバックパスで西川経由で岩波へ。ショルツが西川にボールを下げた時に一気に下がって相手から距離を取る判断が早い。なので西川からの横パスをオープンにもらえて堀米の脇を運べた。多分岩波は関根に出したんだろうけど、関根は酒井がいるからスルーしたのかな。ここで関根が前向きにコントロールして酒井を裏に走らせて岩崎と競争したらどうなったんだろう。

結局は岩崎に前向きに奪われて、岩波も一発で外されて堀米に左足を振らせてしまった。

45'21~

中盤でボールを奪ってからボールを下げてビルドアップ開始。岩波がオープンに持った時に同じレーンの関根→レイオフで敦樹のところがずれた。敦樹はショルツ→岩波の段階でへその位置に止まって堀米ー宮代のゲート奥にいても良かったかな。関根と近くなりすぎてパスがちょっとずれただけで拾えなくなってしまった。やっぱりへその位置は岩尾の方が適任な気がする。敦樹はまだ動きすぎてる感じ。

~後半~

江坂と明本が中央、関根が左、佳穂が右でキックオフ。

46'40~

ジエゴからのスローインを岩尾、岩波、佳穂、江坂で囲い込んで奪取。決定機だけどジエゴがニアに来るとわかって膝をそっち方向へ折ったのは結構凄い気がする。岩尾のミドルでのディフレクションについては、岩尾が蹴った時に主審はギリギリ横目で見ているような感じ。ゴール裏からの角度とか、横からでももう少し距離があったら流石に当たってるのが分かっただろうけどな。近すぎたんだろう。そう思うしかない。

50'26~

ビルドアップ隊のスタート位置は前半と変わらない。

51'05~

左からボールが西川まで戻った時に岩波の外側に入るのは敦樹。これは前半にはなかった。ただ、ここに岩崎が猛スピードで出てくる。鳥栖の方は「浦和はこのエリアに誰かが来るからそこに向かって誰が出ていくか」という整理の仕方だったのかも。

51'33~

多分浦和はこの試合初めての対角のロングパス。岩尾→酒井→明本であっという間にゴール前へ。明本は頭でボールに突っ込めばシュートになったかも。

52'25~

鳥栖のゴールキックに対して左から江坂、明本、佳穂がほぼ横並びで牽制。守備のスタンスが変わってる。ただ、原田→菊地→原田のワンツーで外された。飯野が高い位置を取った時に原田との間を埋めに下りてくる菊地がずっと厄介。

53'15~

明本CFに対して、江坂と佳穂がシャドー、関根と酒井が高い位置の幅担当ってイメージなのかな。ここでカウンターを受けた時に大畑と岩尾で飯野に対応しに行っているし、酒井はトランジションの時に距離があったのでショルツと岩波は中を埋めて迎撃することを優先しても良かったんじゃないかな。。堀米のトラップが浮いて助かった。。

56'12~

ポジトラでしっかりためを作って浦和の選手3人を引き付けてからそれを外して展開する宮代。えぐい。

56'53~

ゴールキックからつないだ流れで敦樹がCB間に下りた状態のビルドアップ。ショルツがヌルヌルっと運んで、大畑と関根が裏へ走り出す。大畑はタイミングをうかがって飯野と競争、関根は一度原田を引き連れて下りてから、逆噴射で自ら空けたスペースへ。関根の方はハイカロリーなアクション。

関根が運んだ時に小泉に対応されてネガトラになってピンチにはならないけど、中央でスタンバイするのが岩尾。敦樹の方が迎撃耐性はありそうだけど。

57'34~

自陣でボールを取って敦樹から中央の佳穂の右足へパス。ここを福田に潰されて奪われた。そのあとに広がっているスペースからすると敦樹は佳穂の左足にパスをして、ターンの回転方向を福田に背中を向けられるようにしてあげたかった。右外を酒井が駆け上がっていたので、ここでターンが決まって右へ逃げられたら一気にスピードアップできたかも。そして酒井がいなくなったスペースへ堀米に入られて左足を振られる。

58'46~

鳥栖のビルドアップに対して江坂、明本、佳穂の順で並ぶのはさっきと同じ。縦を切ろうとしている気はするけど、原田→ライン際に開きながら降りた菊地→中方向と斜め、斜めで前進されかけた。ショルツの対応もちょっとギリギリだったんじゃないか?

59'10~

岩尾がへそ、敦樹が右で降りて3-1の形。宮代の背中で岩尾がターンして前を向いた。前進しかけてやり直したところで、岩波が素早く手前に引いたのでオープンにボールを持てた。手前に深さを作ったので鳥栖の陣形を引き延ばして福田と小泉の間に顔を出した明本まで上手くパスを通せた。

明本がついてきた田代をかわそうとしたけどトラップが浮きすぎて時間がかかってしまった。ここでターンが決まれば江坂が原田の背後、関根が飯野の背後を取りに行ける状態かつ、田代がいないから鳥栖の守備は手薄な状態だった。惜しい。。

59'47~

この小泉の佳穂に対するチャージはなぜ黄色が出ないのか。。リアルタイムで見てた時はこの辺りで主審に対する信頼が全くなくなった。激しいのと危ないのは違うよ。。あと、浦和の選手が話そうとしているのを突っぱねるような仕草は好きになれない。後から見返してても不愉快だ。。

62'40

鳥栖に選手交代。宮代→垣田、菊地→小野。ポジションはそのまま。

63'42~

浦和のゴールキック。敦樹をへその位置に立たせて、岩波の脇は不在なので岩崎は代わりに敦樹の脇にいる佳穂へ出ていく。鳥栖は岩波、敦樹、ショルツを3トップで追いかけている。菊地は岩尾担当だったけど小野は違うのかな?

何度かボールを動かしているうちに岩尾が左に開いて福田を引き付けたことで中央がぽっかり空いて西川→江坂、ヘディングで落として佳穂が前向きにボールを持てた。岩崎は最初にプレッシングに出て行っていたので酒井はフリーで佳穂からの展開をもらえた。クロスの質は悪くないけど、身長的にやはり明本は分が悪い。

この後のカウンターで大畑が全く戻れてないのでこの辺りで電池が切れたっぽい。

67'50

浦和に選手交代。大畑→馬渡、関根→大久保。ポジションはそのまま。

68'50~

ゴールキックを一番後ろが岩波、西川、ショルツで、その一列前が佳穂、敦樹、岩尾。鳥栖はやはり堀米とCF(垣田)が浦和のCBを監視して、右シャドー(小野)が岩尾を監視。岩崎は酒井の担当をジエゴに任せて佳穂まで出る。

小野の背後に江坂が下りてきて福田を引っ張り出しておいて、福田の背後に大久保が下りて外の馬渡へフリック。大久保はその後にすぐ裏へ抜け出していて岩尾もちゃんと見ていてパスを出した。キャンプの時に大久保が岩尾に裏抜けの重要さを説かれていたのを思い出す。ただ、朴が見事なカバーリング。

70'10~

再び浦和も鳥栖も同じ並び順でゴールキック。西川→岩波→佳穂のところで敦樹は佳穂に近づく必要はなかったんじゃないかな。。敦樹は福田との距離があることは見えていたと思うので、佳穂に近づいてボールをもらうなら横ターンで馬渡までボールを逃がしても良かった気がする。今年はスピード感への意識が強くなったからか、横ターンで逆サイドへ逃がす回数が減ってる気がする。

敦樹から佳穂へのリターンは岩崎の頭上をふわっと越して佳穂をライン際で前向きにさせるしかなかったように見えるので、敦樹のこの選択はかなり難易度が高い気がする。

そして、酒井は高い位置にいるので、そのエリアを岩崎、堀米に使われて失点。失点する前から何度も似たような状況は出来ていたので、これだけ打席に立たせたら一回くらい点になっちゃっても不思議ではない。

72'33~

今度は敦樹は岩波の前にいる状態でゴールキックを開始。へそに岩尾。敦樹はプレーが始まったら外に逃げて岩崎を引き連れる。そうなると佳穂に小泉がついてくるので岩波はそこを越して明本まで。明本は田代との競り合いは上手く体を入れていなしてるんだけど、鳥栖のCHは福田が余っているのでこぼれ球は福田が対応できる。

西川は岩波へのパスを選択したけど、岩尾が小野を引き連れてへその位置に来ているならショルツは前が空いている状態だったので、そっちを使った方が良かったな。

74'03~

自陣でのスローインを酒井が岩波に下げたところからビルドアップ。敦樹が酒井に寄っているので岩尾がへそにいる状態。そうなると小野が中央に食いついてくれるので岩波→馬渡で前が開けた。一度やり直しを挟んでも岩尾がへその位置をキープしているので馬渡は再びフリーな状態。佳穂からのパスが弱くて飯野にカットされてしまった。。

大久保は飯野の近くから佳穂に対して手前でボールをもらおうとしたけど、佳穂はオープンだったし、飯野の内側を通って裏に抜けたら飯野を引き付けられて佳穂から馬渡へのパスは通ったかもしれない。

75'08~

自陣ゴールエリア内のFKからビルドアップ開始。岩尾がへその位置に入って小野が引き付けられている。敦樹が岩尾より少し高い位置をとったことで岩波から堀米の内側をパスが通った。敦樹はすぐに江坂に預けちゃったけど、敦樹はフリーだったのでターンして前を向いて欲しい。江坂は福田に見られている状態だったので、それなら敦樹がターンして前を向いた方がその後の状況は良かったんじゃないかな。

76'00

浦和に選手交代。佳穂→ユンカー。指で2を示して明本との2トップを指示。江坂が左SH、大久保が右SH。

80'15

鳥栖に選手交代。堀米→荒木。ポジションはそのまま。

80'40~

浦和陣内深くでのスローインからビルドアップ。酒井が手前に引いていて、岩尾がへそ、敦樹が右ハーフレーンの前目。鳥栖は垣田がショルツ、小野が岩尾を担当。荒木は岩波が担当なんだろうけど敦樹が自分の背後をちょろちょろするので岩波への意識と分散されている。

82'06~

ビルドアップは先ほどと同じ配置。ただこの時間帯だとショルツや岩波も含めてボールを動かしている間のポジションの取り直しが遅くなってる。オープンな選手が作れたらユンカーを裏に走らせるしか前進の手立てがなくなっている。

85'56~

最後尾は岩波、ショルツ、岩尾。岩波から江坂まで飛ばしてダイレクトでクロスを流しいれたところに入ったのが敦樹。前に出ていく場所の勘所は良い。敦樹、ユンカーのどっちかが決めたかった。田代の前でちょっとボールのコースが変わったのでユンカーは対応しきれなかったかな。。

87'25~

岩尾に対する飯野のチャージでこの試合初の黄色。確かに後から足を踏みに行っているのでこの黄色は妥当なんだけど、じゃあ他にも同じ程度の強度のファウルはあったじゃん?って思いたくなる。

88'45

鳥栖に選手交代。飯野→中野伸哉。ポジションはそのまま。

浦和も選手交代。敦樹→柴戸、岩尾→松崎。柴戸がアンカーで江坂と松崎がIHのイメージ。4-3-3だけど、左はWGを置かずに明本、ユンカーの中2枚は継続。もう配置も何もって感じなので整理する必要があるのかは分からないけど。


ビルドアップ隊の配置はやはりキャラクターと役割がミスマッチな気がする。岩尾が左、敦樹が右でも良いけど、それでもへその位置を取るのは岩尾で敦樹は酒井が高い位置を取るならそのカバーとネガトラ対応に走らせた方が良い気がする。

岩尾は自分のポジションを見つけようにも、左ハーフレーンはショルツが運ぼうとする、江坂が下りてくる、大畑は低めの位置からスタート、というところで狭いスペースに押し込まれているような感じ。しかも鳥栖が岩尾につけるマーク担当は右シャドーだったので終盤のように岩尾がへその位置に入るとその選手がついてくるのでショルツの前が空きやすい。

佳穂の判断とか、敦樹が動いちゃうのとターンが少ないのとか、個々の課題はあるんだけど、それと同じくらいの大きさでチームとして用意した前提条件が上手くいってなかった。


もちろん、そもそも体のコンディションが追いついていないというのはあると思うし、鳥栖が全体的にプレッシングが早いので試合のテンポも速くなりやすかった。試合のテンポは守備側がどれだけ攻撃側に時間を与えるのかで変わるので、攻撃側がテンポを落とそうとしても相手が速いならそれに合わせて動くしかない。

それでも、自分たちの保持で相手が止まってくれたタイミングはあったので、そういう時にこちらも止まってポジションの取り直しと相手の出方の観察をもっと出来たら良かった。ただ、そこまで出来る、あるいはやろうとするチームはJリーグにはまだないような気もする。動かないといけないという強迫観念というか。そこを取り去らないと岩尾は起用できる対戦相手が限られて行ってしまうかもしれない。平野も似たようなタイプだけど、平野は速いテンポでも岩尾よりは追いつける。

今後どうやって相手と自分たちのキャラクターの折り合いをつけるのかは気にしていきたいところ。特にビルドアップの肝になるCHの人選は。


浦和レッズについて考えたこと

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